薬剤師の資格や知識を活かした仕事とは?就職や転職ができる働き方10選

薬剤師の資格や知識を活かした仕事はどんなものがあるのだろう?

就職活動や転職活動において、このような疑問はありませんか?

薬剤師の働き方は、病院や薬局、MRなどの有名なものからあまり知られていないマイナーなものまで多様な働き方があります。

そこで本記事では、薬剤師の幅広い働き方を紹介します。本記事が就職活動や転職活動の参考になれば嬉しいです。ぜひ最後までお読みください。

ゆうた

この記事を読めば、薬剤師のさまざまな働き方が分かるようになります。

薬剤師の資格や知識を活かした働き方10選

一口に薬剤師と言っても働き方はさまざまです。視野を広げることで、ご自身のやりがいや性格に合った働き方が見つかるかもしれません。

薬剤師の資格や知識を活かした具体的な働き方は、以下の10個です。順番に確認していきましょう。

  1. 医療機関の薬剤師
  2. MR(医薬情報担当者)などの営業職
  3. 研究職
  4. 臨床開発職
  5. 学術(DI)
  6. 品質管理・品質保証
  7. 薬事
  8. メディカルライター・MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)
  9. 麻薬取締官
  10. 保健所

医療機関の薬剤師

薬剤師の仕事として真っ先に思いつくのが、医療機関の薬剤師でしょう。現場の薬剤師として、患者さん対応や調剤業務に携わります。仕事内容については、皆さんもご承知だと思いますので、本記事では詳しい内容については、割愛いたします。

メリット
  • 医療従事者として患者さんと直接的な対応ができる
デメリット
  • 休日が不規則になりやすい
主な勤務先

調剤薬局、ドラッグストア、病院

MR(医薬情報担当者)などの営業職

薬剤師になるために学んだ医療知識を活かして、営業職になる働き方もあります。具体例としては、MR(医薬情報担当者)と呼ばれる職種です。

MR(医薬情報担当者)は、自社製品である医薬品や医療機器に関する情報を病院や薬局に提供することで、適切に使用してもらう使命を担います。提供する情報は多岐にわたり、有効性や安全性、競合製品との違い、正しい使用法などです。

また、MRと似たような働き方として、医薬品卸企業(※)に所属するMS(医薬品卸販売担当者)と呼ばれる働き方もあります。(※具体的にはスズケン、メディセオ、アルフレッサ、東邦など)

メリット
  • 給与水準が高い(製薬企業、医療機器メーカー)
  • 医療機関の薬剤師と比較すると休日が多い
デメリット
  • 転勤が伴う働き方になる場合がある
主な勤務先

製薬企業、医療機器メーカー、医薬品卸企業など

研究職

研究職の仕事は、製薬企業や研究機関において「病気の解明」や「新薬につながる新たな物質の探索」などの研究に携わる職種です。また、医療以外にも化粧品会社や食品会社での研究に携われる場合もあります。

メリット
  • 好きな研究を仕事にできる
デメリット
  • 必ずしも成果が出るとは限らない
  • 自分のやりたい研究ができるとは限らない
主な勤務先

製薬企業、研究機関、化粧品会社など

臨床開発職

臨床開発職の仕事は、医薬品や医療機器の開発の最終段階である臨床試験(治験)を実施し、試験のデータを集めることです。そして集めたデータの結果をもとに申請書類を作成し、製造・販売の承認を国から得ます。

一口に臨床開発職と言っても仕事内容は多岐にわたり、以下のような職種に分かれています。順番に確認してみましょう。

  • CRA(臨床開発モニター)
  • CRC(治験コーディネーター)
  • DM(Data Management :データマネジメント)
  • BS(Biostatistics:統計解析)

CRA(臨床開発モニター)

CRAの具体的な仕事内容は、以下の通りです。

  • プロトコルと呼ばれる治験実施計画書の作成
  • 医療機関の選定
  • 治験の実施状況の確認
  • 症例報告書(CRF)の回収

CRC(治験コーディネーター)

主に病院などの医療機関で勤務し、治験の実施をサポートします。具体的には被験者の治験中のフォローや症例報告書(CRF)と呼ばれる治験データに関する書類の作成を行います。

DM(Data Management :データマネジメント)

DMの主な仕事は以下の2つです。

  • CRAが回収した症例報告書(CRF)のデータをデータベースに登録する
  • 統計解析しやすいように、データを整える

BS(Biostatistics:統計解析)

DMが作成したデータをもとに、生物統計学の手法によって分析することで有効性や安全性などを証明する。

メリット
  • 新薬開発に携われる
  • 長期休暇を取ることができる
デメリット
  • 薬剤師の資格手当がつかない場合がある
  • 職場や職種によっては残業が多い
主な勤務先

製薬会社、医療機器メーカー、CRO(医薬品開発受託機関)、SMO(治験施設支援機関)

学術(DI)

学術(DI)はDrug Informationの略で、医薬品情報のスペシャリストと呼ばれる仕事です。仕事は大きく分けて以下の5つです。

  • 情報管理
  • 情報収集
  • 情報提供
  • 問い合わせ対応
  • PMDA(医薬品医療機器総合機構)への報告

情報管理

自社製品について正確に把握し、理解しやすい情報に直して管理するのがDIの仕事の1つです。

情報収集

最新の医薬品情報を収集するのもDIの仕事です。収集する情報は、自社製品に関連する論文や競合他社の製品情報など多岐にわたります。

情報提供

自社製品の情報と収集した情報を統合し、理解しすくしてから情報を現場のスタッフ(MRなど)に提供します。そうすることで、医療現場に正しい情報が届く手助けを行います。

問い合わせ対応

現場のスタッフを通さずに医師や病院関係者から直接問い合わせを受けることもあります。製品に関する問い合わせに対しては、基本的に学術(DI)が対応します。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)への報告

有害事象が発生した場合には、DIがPMDA(医薬品医療機器総合機構)への報告を行います。

メリット
  • 医薬品情報のスペシャリストになれる
  • 転勤や残業が少ない
デメリット
  • 顧客対応を伴う外出がほとんどない
  • 電話対応が多い
  • 求人が少ない
主な勤務先

製薬企業、卸売会社、CROなど

品質管理・品質保証

自社製品の品質を管理・保証することは、患者さんや消費者に製品を安全に届けるための重要な仕事です。製品の品質を守るという重要性は、医薬品にとどまらず、以下のようなものがあります。

  • マスクなどの衛生用品
  • 健康食品
  • 化粧品
  • 製品を保管する倉庫

そのため、勤務先を幅広く選択できるのも品質管理・品質保証の特徴です。品質管理と品質保証という言葉は似ていますが仕事内容は異なり、具体的には以下の通りです。

品質管理

品質管理の仕事は、自社が設定した品質を満たせるように製造工程を管理・監督することです。

具体的には、社内で定めた基準が守られているかを確認して記録したり、業務の改善点があれば監督者である品質保証に改善を提案したりします。また、社内の基準を守っているにもかかわらず品質を満たせなかった場合には、原因究明も業務に含まれます。

品質保証

品質保証の仕事は、文字通り自社製品の品質を保証する仕事です。品質保証の担当領域は品質管理よりも広く、原材料の選定から販売後のサポートまでを担当します。具体的には、以下の仕事が挙げられます。

  • 社内基準の設定
  • 原料等の品質規格を定め、それに適合する供給者の選定
  • 出荷の可否を決定
  • 出荷後の製品クレームなどの対応

品質保証の重要な仕事の1つに、出荷の可否を決定するというものがあります。これは、品質管理から受け取った情報をもとに、品質保証が自らの責任のもとに出荷を決めるというものです。

つまり、品質保証は品質管理を管理・監督する立場にいます。品質管理を経験して品質管理の仕事を理解した後でないと、品質保証の仕事をするのは難しいと言えるでしょう。(もちろん、会社によって状況は異なるかもしれませんが…。)

メリット
  • 未経験でも採用されやすい
  • 幅広い業界で採用を行っている
デメリット
  • 勤務先が地方であることがある
  • 他部署との折衝が多い
主な勤務先

製薬企業、医療機器メーカー、商社、倉庫会社など

薬事

新薬や新たな医療機器を販売するにあたって、販売や使用の承認を厚生労働省からもらうための申請業務を担当します。また、社内スタッフの教育業務も薬事が担当します。

新薬や新たな医療機器の申請業務は数多くありますが、具体的な業務を以下に紹介します。

  • 承認申請するために必要なデータを整理する
  • 承認申請前に、事前にPMDA(※)と相談して対策を立てる
  • (※PMDAは医薬品医療機器総合機構と呼ばれ、厚生労働省の所轄機関である)
  • PMDAと相談後に追加で取得するデータがそろっていない場合には、データの取り直しを指示する
  • 申請書を作成してPMDAに申請する
  • 審査を行う「審査専門員」と面談を行う
メリット
  • 薬機法のスペシャリストになれる
デメリット
  • 承認が下りるまでの期間が長く
  • 粘り強い交渉や調整が必要になる
主な勤務先

製薬企業、医療機器メーカーなど

メディカルライター

メディカルライターの主な仕事は、文章作成を通して医療情報を受け手に伝えることです。具体的な仕事として、以下の5つを紹介します。

  • 臨床試験の計画や結果報告などに関する書類の作成
  • 厚生労働省に提出する薬事申請などに必要な書類の作成
  • 医薬品や医療機器に関する論文作成
  • 医薬品や医療機器に添付する指導せんなどの資料作成
  • 雑誌やWeb媒体に載せる記事の作成
メリット
  • フリーランスで活動できる可能性がある
  • 薬機法や新薬に強くなれる
デメリット
  • 明確な締切りがある
  • 締切りに間に合わせるために残業が多くなる
  • 英語が必須
主な勤務先

製薬会社、CRO、広告代理店、出版社など

麻薬捜査官

違法薬物を取り締まる麻薬捜査官。「麻取(マトリ)」や「麻薬Gメン」と呼ばれることもあります。この仕事も薬剤師が携わることができる仕事の1つです。仕事は多岐にわたりますが、具体例は以下の3つです。

  • 違法麻薬や覚せい剤などの規制薬物に関する捜査
  • (医療用麻薬や向精神薬などの)正規の医薬品の横流しや不正使用を防止するための指導や助言
  • 薬物濫用防止のための啓発活動
メリット
  • 公務員のため給与が安定している
  • 市民を薬物の危険から守る手助けができる
デメリット
  • 原則として全国転勤である
  • 危険を伴う場合がある
  • 公務員試験に合格する必要がある
主な勤務先

厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部

保健所

各自治体に所属し、保健所の職員として薬剤師業務を行う働き方もあります。大きく分けると以下の5つです。

  • 薬事衛生
  • 食品衛生
  • 生活衛生
  • 水道衛生
  • 試験検査

薬事衛生

医薬品や医療機器などの品質や有効性、安全性を確保するための業務。薬局や卸売販売業、医療機器販売業などに対して許可や監視、指導を行います。

食品衛生

食中毒の予防などの食の安全を確保するための業務。食品製造業者や飲食店などに対して許可や監視、指導を行います。

生活衛生

衛生水準を一定以上に維持することを目的とした業務。宿泊施設や温泉などの公衆浴場、クリーニング店などに対して許可や監視、指導を行います。

水道衛生

水道水を安全に供給するための監視や指導を行う業務。対象は、宿泊施設などの水質管理やプール施設の衛生管理などがあります。

試験検査

食品に含まれる添加物や放射線などが基準を満たしているかを検査する業務を行います。

メリット
  • 公務員のため給与が安定している
  • 土日祝日が休みで有休も取得しやすい
デメリット
  • 地方公務員になったとしても保健所に配属されるとは限らない
  • 公務員試験や自治体が設けている試験に合格する必要がある
主な勤務先

各自治体

まとめ

いかがだったでしょうか。このように薬剤師には、多様な働き方ができるということがお分かりいただけたかと思います。本記事で紹介した働き方以外にも、薬剤師が携われる仕事はまだまだあります。ご自身でも何か探してみても良いかもしれません。

本記事が、ご自身の挑戦してみたい仕事や向いている仕事が見つかるきっかけになれば嬉しいです。挑戦してみたい仕事が見つかれば、就職や転職に向けて対策を始めてみると良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。